アトピー性皮膚炎
かゆみの激しい湿疹が慢性的に続く皮膚炎です。年齢によって皮膚が乾燥したり、赤くなるなど症状が変化することもあります。
乳幼児に多い疾患ですが、近年では成人になっても症状が現れる方もいます。
アトピーになりやすい体質の人が、アレルギー物質に触れたり、乾燥や汗により皮膚に刺激を受けることでアトピー性皮膚炎を発症するといわれています。アレルギー物質は、卵や牛乳などの食物、ハウスダストやダニ、カビ、動物の毛など人によって様々です。
治療では、ステロイドなどの塗り薬を使用します。症状に合わせて保湿薬などの複数の塗り薬を使用したり、飲み薬を併用することもあります。
また、アレルギーの原因となるアレルゲンを特定するため、血液検査や皮膚検査を行うこともあります。
Qアトピー性皮膚炎とはどのような病気ですか?
痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが期待されます。
自分自身アトピーセンターに所属し大学病院で専門外来をしていた経験もあり、根気よく加療することが大事なのと、デュピクセントやオルミエントなど新薬の導入で劇的に治療効果が高まっている分野でもありますのでお悩みの方はぜひご相談下さい。
Qステロイド外用薬はどのようにつければよいのでしょうか?
1日2回(朝、夕:入浴後)薄く塗ることが原則です。人指し指の先端から第1関節部までチューブから押し出した量(約0.5g)が、成人の手で2枚分すなわち成人の体表面積のおよそ2%に対する適量です(finger tip unit) 。塗る量については、例えばベリーストロングクラスの場合、大人で十分な量である1日5-10g程度の塗り方でスタートして、症状にあわせて次第に量を減らして行けば、3ヵ月使っても副腎皮質機能に大きな影響は与えません。ある程度の量をそれ以上長く使わなければ良くならないときは、スキンケアや悪化因子除去、心身医学的側面が適切に対応されているか、もう一度洗い直してみる必要があります。
しらたま皮膚科では症状に合わせて多用な外用剤や混合剤、また季節や部位に配慮しながら基材の選択も行い患者様1人1人にカスタマイズした処方を行っていきます。また最新のエビデンスの知見から、新薬なども積極的に導入していきます。
Q子どもではステロイド外用薬をどのように使えばよいのでしょうか?
原則として子どもでは「皮疹の重症度」の重症と中等症では大人より1ランク低いものを使います。
ただし症状が特にひどい部位には一時的に大人と同じランクの外用を処方する場合もあります。
一部日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」より参照